岩月は1998年に金沢美術工芸大学を卒業後、愛知県を拠点に活動を続けており、国内での個展に加えて、2019年にはニューヨークやヴェネツィアでも作品を発表するなど精力的に活躍してきた。柔らかなタッチで描かれる風景や静物は、ふと心に残る日常のひとコマをそっと物語へと変え、鑑賞者の記憶と感情に響いてくる。

「部屋」や「家」などこれまで描いてきたモチーフに加え、今展では“緑”と“光”に焦点を当て、新たな表現を展開。窓から差し込む光、木漏れ日、明快な陰影、反射光まで、作品ごとに異なる光の表情が浮かび上がる。調和のとれた構図と色彩は、まるで植物のように静かに、確かに心を潤す。

自然の一部としての人間、その本能的な欲求に耳を澄ますような岩月のまなざしが、この展示空間でしなやかに広がっていく。

踊り場, 2024, 60.6 x 72.7 cm, Oil on canvas

画家の家, 2023, 45.5 x 65.2 cm, Oil on canvas

冬の村, 2025, 72.7 x 91 cm, Oil on canvas

アーティストステートメント
いつも緑にかこまれていたい。
そういう本能的欲求のようなものがある。
そして朝が来たら外に出て光を浴びたい。
そうしないと何となく調子が出ない。
植物が光を求めるように私も無意識に光を求めているのだろうか。
考えてみれば人も自然の一部なのだから当然の欲求なのかもしれない。
–岩月ユキノ

岩月ユキノ
1998年 金沢美術工芸大学視覚デザイン科卒業。愛知県を拠点に活動。2019年にニューヨーク、ヴェネツィアで作品を発表。日常の風景や生活の断片をテーマに、油彩画を中心とした制作を続けている。

岩月ユキノ「緑光生活」
会期：2025年10月24日（金）～11月15日（土）
開廊時間：12:00～18:00
休廊日：日曜・月曜・祝日
会場：メグミオギタギャラリー
住所：〒104-0061 東京都中央区銀座8-14-9 デュープレックス銀座タワー8/14 B1
TEL：03-3248-3405
オープニングレセプション：10月24日（金）17:00～19:00（作家在廊予定）
公式サイト
Instagram：＠megumiogitagallery