未知の写真世界を旅する「浅間国際フォトフェスティバル2025 PHOTO MIYOTA」、御代田町にて開催中
今年のキービジュアルには、ブラジル人写真家ルイーザ・ドアによる作品群「IMILLA」が採用された。ボリビア高地の先住民女性を象徴する伝統衣装「ポジェーラ」をあえて纏い、スケートボードという異なる文化と交差する姿は、古いイメージや負の歴史に対する静かな反抗を感じさせ、日本の裏側にある「まだ見ぬ世界」を映し出す。

もう一つのキービジュアルには、オランダのサンデル・クースによる「POST」が選ばれた。祖父母のアルバムをもとに、1940〜90年代の風景や服装、色彩を模した“偽の家族写真”をAIで画像生成。時代ごとに構築されてきた男性性を可視化しつつ、個人史とフィクション、記憶とジェンダーが交錯する新たな風景を描き出す。

本フェスティバルでは、写真が単なる記録にとどまらず、時間や記憶、感覚を通じて非物質的な世界までをも描き出す力に着目する。見えるものと見えないものが交差する瞬間に立ち会うことで、鑑賞者それぞれの想像力が刺激され、新たな視点と出会うきっかけとなるだろう。参加作家には、Stephen Gill、Elsa Leydier、小原一真、THE COPY TRAVELERSなど国内外の写真家が名を連ね、アマナが所蔵する戦後日本写真コレクション「アマナコレクション」からも約200点が展示される。

MMoP会場風景

石場文子|Ayako Ishiba
Time elapses (four apples)_point B, 2と3のあいだ [静物] #4

the amana collection展より

the amana collection展より

ルイーザ・ドア|Luisa Dörr
The Flying Cholitas

ロンフイ・チェン|Ronghui Chen
Meyer Lemon

サンデル・クース|Sander Coers
POST

ザ・コピー・トラベラーズ|THE COPY TRAVELERS
Traveling Octagon

小山泰介|Taisuke Koyama
SEVENTH DEPTH
展示会場となるMMoPに加え、町内各地の屋外スペースでも展示が展開されるほか、マルシェやワークショップ、「Union Garden」や「MIYOTA COFFEE WEEKEND」といった地域と連動したイベントも開催予定。夏の御代田町を巡りながら、アートと出会う回遊体験が楽しめる。
【浅間国際フォトフェスティバルについて】
「浅間国際フォトフェスティバル」は、2018年にスタートしたアートフォトの祭典。浅間山麓の自然と文化を背景に、国内外の優れた写真作品を屋内外で展示するほか、マルシェやワークショップなど体験型のイベントも実施してきた。アートフォト専門誌『IMA』のエディトリアルディレクター・太田睦子のキュレーションにより構成されており、アートと地域資源が交差する独自のフェスティバルとして注目を集めている。2025年は、御代田町の複合施設「MMoP(モップ)」を中心に、町内の公園や施設にも展示エリアを拡大し、より高い回遊性を目指す。
【開催情報】
展覧会名:浅間国際フォトフェスティバル2025 PHOTO MIYOTA
会期:2025年8月2日(土)〜9月30日(火)
休館日:水曜日(ただし8月13日は開館)
時間:10:00〜17:00(屋内展示の最終入場:16:30まで)
会場:MMoP(モップ)|長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794-1
観覧料:入場無料/屋内展示鑑賞チケット 1,200円(会期中何度でも利用可、中学生以下無料)
主催:浅間国際フォトフェスティバル2025 PHOTO MIYOTA実行委員会
URL:https://asamaphotofes.jp/