New Scaleがキュレーションを手がけるグループ展「OPEN WORLD」を神楽坂PAAMAにて開催
本展には Soft Baroque(ソフト・バロック)、Pierre Castignola(ピエール・カスティニョーラ)、Geray Mena(ジェレイ・メナ)、八木沢俊樹 の四組が参加し、それぞれの実践を通じて複層化する現代社会の視点を提示している。ゲームの“オープンワールド”形式に着想を得た会場では、観客とアーティストが共に“主人公”となり、作品との相互作用から無数のストーリーが立ち上がる。Soft Baroqueは、ベンチやテーブルといった家具の原型に感覚のずれを仕込み、多層的な知覚を誘発する。Pierre Castignolaは、日常的プロダクトを媒介に消費文化と知的財産の境界を探り、鋭利な批評性を提示する。Geray Menaは、写真に刹那と永遠を同居させ、時間の層を可視化する。八木沢俊樹は、陶芸・木彫とデジタル技術の往還から、素材と知覚の枠組みを再考する作品を展開する。
本展は、鑑賞者が作品と対話しながら新たな物語を紡ぎ出す場となる。多彩な視点が響き合い、視覚文化の未来を切り開く「OPEN WORLD」を体験してみてはいかがだろうか。また、本グループ展「OPEN WORLD」に合わせ、TOO MUCH Magazineの編集チームが制作し、各アーティストのエクスクルーシブインタビューも掲載した作品集が発行される。(予価 ¥7,000)

開催概要
日時:2025年7月12日(土) - 8月2日(土)
時間:13:00 - 18:00 ※休日:日、月、火
場所:PAAMA
東京都新宿区矢来町160-1 サクラハウス神楽坂矢来町1F-B
ソフト・バロック(Soft Baroque)について

ソフト・バロックは、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで出会ったオーストラリア出身のニコラス・ガードナーとスロベニア出身のサーシャ・シュチュチンによるデザインデュオ。2013年に設立され、V&A(ヴィクトリア&アルバート博物館)やスイス・インスティチュート、パトリック・パリッシュ(NY)など国際展で作品が展示される。BalenciagaやHEMとのコラボも手がけ、素材と機能の矛盾やデジタルと物質の境界を探究。近年はスロベニア・リュブリャナへの拠点移転に伴い、共同作業と現地の豊かな環境が創作に新たな影響をもたらしている。
@soft_baroque
ピエール・カスティニョーラ(Pierre Castignola)について

ピエール・カスティニョーラは、フランス出身で、2018年にデザイン・アカデミー・アイントホーフェンを卒業し、同年にオランダに自身のスタジオを設立したデザイナーです。日常的なモノを題材に、消費社会や記号論、知的財産制度を批評的に掘り下げるコンセプチュアルな作品づくりで知られている。代表作「Copytopia」では、プラスチック製ガーデンチェアの特許保護を巡り、複数の既製品パーツを組み替えることで「模倣と創造のユートピア」を提示。これは、紙幣のコピー禁止に衝撃を受けた体験から着想を得ており、真正性や所有権への問いをポップに可視化している。
@pierrecastignola
ジェレイ・メナ(Geray Mena)について

ジェレイ・メナはスペイン出身、アムステルダム・リエトフェルト・アカデミーで絵画や彫刻、衣料デザインを学び、写真を主軸に展開するジェレイ・メナ。ロンドンやパリを拠点に、家具職人としての経験を経て、素材や構造への深い敬意を養った。AIや大判カメラを活用し、消えゆくものの記録と構築の間を行き交う視覚的探求を続けている。ローザンヌ州立美術大学(ECAL)で教育にも力を注ぎ、新世代への批評的視座を共有しながら、個人制作と商業両軸で国際的に活躍中である。
@geraymena
八木沢 俊樹 (Toshiki Yagisawa)について

八木沢俊樹は、アーティスト、デザイナー。陶芸・木工・3Dプリント・CGIといった多様なメディウムを縦横にかけ合わせ、新しい素材としての存在や物語を生み出す。コンテンポラリーメディア「New Scale」の創設者。M/M(Paris)、JW Anderson、Dis、Bagn & Olufsenなど国際的なデザイナーやアーティスト、企業との協業を通じ、物理とデジタルの交差点に身を置きながら、視覚の構造や知覚の制度を撹拌する作品世界を探求している。
@toshikistudio
ニュー・スケール(New Scale)について
New Scale は、現代のデザイン、アート、音楽、建築といった創造領域における思考と感性の動向を捉えるメディアプラットフォームである。世界各地の多様な実践や表現をインタビュー形式で収集・編集し、そのエッセンスを読者へと届けることで、新たなインスピレーションの源となることを目指している。また、展覧会のキュレーションや限定プロダクトの販売を通じて、情報を体験として提供する取り組みも行っている。知覚と想像力に静かに働きかけながら、日常の中に思考を促す問いの場を創出することを目指している。
@newscale.studio
PAAMAについて
横浜DeNAベイスターズのヴィジュアルディレクション、ポパイのリニューアルを手掛けたアートディレクターの前田晃伸が、神楽坂に新しいスペース、PAAMAをオープンさせる。PAAMAという特徴的な名称は、日本人にお馴染みの美容技術、パーマ(和製英語)から来ている。髪型を変えるだけで異なるスタイルや気分を作り出せる技術をポジティブに捉え、スペース自体も自由自在に文化や領域の垣根を超えていくことを目指す。昨今多く見られるアートとプロダクトデザインの中間にあるような作品を中心に、アジア出身の若手作家を積極的に紹介する。
内装・什器デザインを手掛けたのは、sacai、Kiko Kostadinovの内装で知られるインテリアデザイナーの関祐介。
@paama_jp
前田晃伸について
1976年生まれ、愛知県出身。デザインユニット、イルドーザーに参加し、解散後はフリーランスのアートディレクター/デザイナーとして活動し、カルチャー性の強い出版物やロゴなどのデザインを多く手がける。その後、MAEDA DESIGN LLC.を設立。2012年、雑誌『ポパイ』のリニューアル時にはアートディレクターとして参加し、デザイン面からその成功を支えた。現在は『TOO MUCH マガジン』『AWWマガジン』『群馬クレインサンダーズ』のアートディレクターも務めている。
@maeda_design_llc