1989年の開館以来、多くの文化・芸術を発信してきた渋谷区にある複合文化施設「Bunkamura」が、新たな挑戦を始める。現在、オーチャードホールを除いて休館中のBunkamuraだが、2027年度までの休館期間を活用し、新たな試みを行うことを決めた。これまでに培ってきた人々の心を打つ文化・芸術の創造と発信を続ける一方で、さらに活動の幅を広げる取り組みを進めている。

　特筆すべきは、「渋谷ファッションウイーク2024春」への参加で、期間限定の特別プログラムが展開されることだ。Bunkamura建築の象徴的存在である地下1階の吹き抜けでは、国内外で活躍するアーティスト、西野達が大型インスタレーションを展示する予定である。これには、Bunkamuraで使用されてきた家具や備品が活用される。

　さらに、多くの音楽家から愛される旧Bunkamura Studioでは、サウンドアーティストevalaが新たな聴覚体験を創り出すサウンドインスタレーションを展示する予定だ。旧Book Shopでは、「9 days Book Store & Art Market」が開催され、クリエイターやアート系ブックストアから出品された書籍や作品が販売される。売上の一部は令和6年の能登半島地震の被災地へ寄付される。

　休館期間中でも、Bunkamuraの歴史と未来を体験できる特別なプログラムが開催される。この機会をぜひとも活用してほしい。

SHIBUYA FASHION WEEK 2024 Spring × Bunkamura
「Bunkamuraの未来を照らす新しいアート体験」
＜開催期間＞
2024年３月１６日（土）～３月２４日（日） 13時～20時 ※最終日のみ13時～18時
＜展示場所＞
Bunkamura 地下１階
主催：渋谷ファッションウイーク
共催：東急株式会社、Bunkamura
企画制作：Bunkamura
企画協力：株式会社アマナ
メディアパートナー：ARTnews JAPAN
特別協力：東急グループ
※本企画は渋谷ファッションウイークが参画する東京クリエイティブサロンの一環として開催される。
＜イベント詳細＞
https://www.bunkamura.co.jp/event/lineup/20240316.html

【展示作品】
西野達アートプロジェクト「ミラーボールファニチャー（仮タイトル）」
展示場所：Bunkamura 地下１階

アーティスト：西野達
1960年、愛知県生まれ。ドイツのミュンスター芸術アカデミーで彫刻を学び、1997年から主にヨーロッパで活動。シンガポールのマーライオンやマンハッタンに立つコロンブス像など、国や街のシンボルとなる建造物を用いた大掛かりなインスタレーションで世界的な評価を得る。昨年11月、渋谷のハチ公像をベッドルームに鎮座させた作品「ハチ公の部屋」で話題を集めた。日常と非日常を逆転させる驚きとユーモアに溢れる作品で観客の既存概念を覆す。2017年度（第68回）芸術選奨文部科学大臣賞（美術部門）大臣賞を受賞。

新作サウンドインスタレーション（タイトル未定）
展示場所：Bunkamura 地下１階 旧Bunkamura Studio

アーティスト：evala
音楽家、サウンドアーティスト。新たな聴覚体験を創出するプロジェクト「See by Your Ears」主宰。立体音響を駆使した独自の“空間的作曲”によって、先鋭的な作品を国内外で発表。空間と時間を徹底的に人工操作し、自然界では存在しない音の現象をつくることで、新たに生じるリアリティや知覚を探求する。代表作に、完全な暗闇の中で体験する音だけの映画『Sea, See, She – まだ見ぬ君へ』（2020 年、第24回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞）や空間音響アルバム『聴象発景in Rittor Base ‒ HPL ver』（2021年、国際賞プリ・アルスエレクトロニカ栄誉賞）など。

９ days Book Store & Art Market
場所：Bunkamura 地下１階 旧Book Shop ファッションデザイナー、建築家、写真家、アーティストなどのクリエイターやアート系ブックストアなどが、それぞれの蔵書の中から厳選したこだわりのアートブック、写真集、マルチプル作品などを出品するマーケットを開催。売り上げの一部を令和6年能登半島地震の被災地へ寄付します。

TOKYO CREATIVE SALON2024
https://tokyo-creativesalon.com/

渋谷ファッションウイーク
https://www.shibuya-fw.com/