蓄積された時間が、遠い風景を呼び覚ます──津田直の個展「LO−逆さまの杯と杖−」がVague Kobeで1/23(金)より開催
津田は15年ほど前からチベット仏教圏を旅し続けてきた。神仏や自然に対する畏敬と共存の感覚が息づくこの土地で、寺院や僧院、そこに暮らす僧侶や儀式の様子に目を向けながら、仏教の根源を自らの足でたどってきたという。
本展で初公開されるシリーズ「LO」は、ネパールの奥地・ムスタン地方を訪れた旅の成果である。ヒマラヤ山脈の影に包まれたその地は、冬の時期に入域許可が必要な閉ざされた場所。乾いた大地に吹く風、空へと伸びる山の稜線、風景と共鳴するように佇む仏塔。そして、高地ならではの澄んだ空気が、光の粒となって写し込まれる。津田が旅の途中で見つめた数々の風景が、Vague Kobeの空間の中に、ひとつの地平として現れる。

LO−Cupola #1 © Nao Tsuda, Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

LO−Cupola #13 © Nao Tsuda, Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

LO−Inverted Glass #1 © Nao Tsuda, Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film
今回の展覧会では新シリーズ「LO」に加えて、写真作品を中心に津田がムスタンでの旅で出会い、手に取った欠片を用いて構成したインスタレーション「逆さまの杯と杖」も同時に展示される。かつて塩の道として多くの人が行き交ったこの土地に積み重なった時間の層が、作品と呼応しながら場の気配を変えてゆく。
また、ブータンで撮影された「REBORN」シリーズのプラチナプリント作品や、PAPIER LABO.と共同制作した特殊印刷作品も並ぶ。会場では、写真集『LO』(NEUTRAL COLORS刊)も紹介・販売される。リソグラフによる手刷りの多色印刷が用いられ、ムスタンの光や風、地表の手ざわりまでも紙面に浮かび上がらせるような一冊だ。
風景に立ち会い、旅の記憶に触れる時間が、静かに立ち上がってくる。
【プロフィール】
津田直(つだ・なお)
1976年神戸生まれ。人と自然との関わりをテーマに世界各地を旅し続ける写真家。2001年より国内外で数多くの展覧会を開催。代表作に「SMOKE LINE」「果てのレラ」「REBORN」など。2010年、芸術選奨新人賞(美術部門)を受賞。
URL:https://tsudanao.com
【開催情報】
展覧会名:LO−逆さまの杯と杖−
会期:2026年1月23日(金)ー3月9日(月)
開館時間:毎週金曜日ー月曜日 12:00ー18:00
会場:Vague Kobe(兵庫県神戸市中央区海岸通9−2 チャータードビル4F)
観覧料:無料
お問い合わせ:contact-vaguekobe@tystudio.fr
Instagram:@vague_kobe
《トークイベント》
日時:2026年1月24日(土)14:00ー15:30
(15:30ー18:00 ブックサイニング&作家在廊)
登壇者:津田直、柳原照弘(Vague代表)
参加費:3,300円(税込・1ドリンク付き)
予約:https://pci.jotform.com/vaguekobe/talk_nao-tsuda
《ミニレクチャー》
日時:2026年2月7日(土)
14:00-15:30 ミニレクチャー
15:30-16:30 交流会
登壇者:津田直、加藤直徳(編集者、NEUTRAL COLORS代表)
参加費:2,750円(税込・1ドリンク付き)
予約:https://pci.jotform.com/vaguekobe/mini-lecture
概要:津田直の新刊写真集『LO』(NEUTRAL COLORS刊)をめぐり、編集者・出版元である加藤直徳を迎え、作家とともに写真集の制作プロセスを紹介するミニレクチャー。
《同時開催》
Nao Tsuda New Publication Exhibition LO - Risograph Prints
会期:2026年1月16日(金)ー2月15日(日)11:00ー19:00(月曜休)
会場:POST(東京都渋谷区恵比寿南2-10-3 1F)
URL:http://post-books.info