身体と世界のあいだを揺らす、知覚の旅——「知覚の大霊廟をめざして——三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション」ICCで開催中
本展では、メディア・アートの先駆者の一人として知られる三上晴子が1990年代後半以降に発表した、大型のインタラクティヴ・インスタレーションを複数展示。1990年代より「知覚そのもの」をテーマに、視覚、聴覚、触覚、重力といった人間の感覚とテクノロジーの関係性を探求し続けた三上の表現世界を、最新の修復・再制作版によって体感できる貴重な機会となる。
展示作品には、重力と身体感覚を再認識させる《gravicells─重力と抵抗》、視線による形態生成を扱った《Eye-Tracking Informatics》、監視と情報ネットワークをテーマとする《欲望のコード》、そしてICCの無響室での再展示を目指す《存在、皮膜、分断された身体》など、代表作が揃う。特に3点の大型作品が同時に展示されるのは、国内外でも初の試みである。

三上晴子+市川創太《gravicells─重力と抵抗》 2004/10/25年 撮影:木奥恵三 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

三上晴子《Eye-Tracking Informatics》 2011/19年 撮影:木奥恵三 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

三上晴子《欲望のコード》2010/2011年 撮影:木奥恵三 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

三上晴子《欲望のコード》2010/2011年 撮影:木奥恵三 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

三上晴子《存在、皮膜、分断された身体》 1997年 撮影:大高隆 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
※ICCでは、2000年以降展示の機会がなかった本作の再展示を目指し、長年にわたり調査と修復が行われてきた。ただし、体験者自身の心拍音を用いて体験するインタラクティヴ・インスタレーション版の修復は実現していない。本展ではその経緯を踏まえ、当時体験者が選択することができた三上の心拍音によるサウンド・インスタレーション版を再現展示する。本作は一人ずつ体験する形式のため、事前予約制での案内となる。
また会期中には、三上と関わりの深かったアーティストや研究者を招いたトーク・イヴェントも開催予定。作品の変遷やアーカイヴの取り組みにも光が当てられ、アート作品の保存と継承のあり方についても考える場となるだろう。
知覚を拡張し、身体と世界の接続を問い直す三上晴子のインスタレーション。触れた瞬間に始まるその静かな揺らぎを、ぜひ体験してほしい。
【プロフィール】

三上晴子(2011年12月撮影)撮影:篠田英美 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
三上晴子(みかみ せいこ)
1984年から情報社会と身体をテーマとするインスタレーション作品を制作。1992年から2000年までニューヨークを拠点に国際的に活動し、1995年以降はインタラクティヴ作品へと展開。メディア・アートの国際フェスティバルや美術館に多数出品。多摩美術大学教授も務めた。2015年、病気により逝去。
【開催情報】
展覧会名:知覚の大霊廟をめざして——三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション
会期:2025年12月13日(土)〜2026年3月8日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] ギャラリーA、B
開館時間:11:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝休日の場合は翌日)、年末年始(12/29〜1/5)、保守点検日(2/8)
観覧料:一般 1,000円(900円)、大学生 800円(700円)
※高校生以下・65歳以上・ぐるっとパス利用者・障害者手帳持参者とその付添1名は無料
※( )内は15名以上の団体料金
※事前予約優先
※会期中1回に限り再入場可能。2回目以降の入場には初回来場チケットをICC受付にて呈示。
URL:https://www.ntticc.or.jp/ja/
Instagram:@ntt_icc