箱根の自然と時空を越えるアートの共鳴、「SPRING わきあがる鼓動」が12/13(土)よりポーラ美術館で開催
本展は、生命が芽吹く春の季節に着想を得て、人間や自然、そして記憶と未来が織りなす“わきあがる鼓動”をテーマに、絵画、彫刻、工芸、インスタレーションなど多彩な作品約120点を紹介する。
開館以来初めて「箱根」という土地そのものに焦点を当て、江戸時代の浮世絵から現代美術まで、時代を超えて箱根の風景や精神性に触れた表現を横断的に取り上げる。プロローグでは、大巻伸嗣によるインスタレーションが、森と共鳴するように鑑賞者を迎える。

歌川広重《五十三次名所図会 十一 はこね山中夜行の図》1855年(安政2年)、 箱根町立郷土資料館[展示期間:2026年3月6日-5月31日]

大巻伸嗣《Liminal Air Space-Time》2015年、 展示風景:「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」森美術館 ©Shinji Ohmaki Studio
さらに、杉本博司や小川待子による新作、イケムラレイコらによる代表作が、土地の記憶や自然のリズム、物質の変容、そして時空を超えた対話を展開。ポーラ美術館のコレクションからは《エデンの園のエヴァ》をはじめとしたルソーによる油彩画4点や、ゴーガン《小屋の前の犬、タヒチ》など、旅と再生の精神を宿す名作も出品される。

イケムラレイコ《始原I》2014-2017年、ポーラ美術館 ©Leiko Ikemura

アンリ・ルソー《エデンの園のエヴァ》1906-1910年頃、ポーラ美術館

ポール・ゴーガン《小屋の前の犬、タヒチ》1892年、ポーラ美術館
会場構成は、大巻伸嗣によるプロローグ、「はじまりの山―箱根」「ストーリーズ」「地水火風」「エコー」「共鳴の旅―彼方へ」、そしてエピローグとして名和晃平の《PixCell-Deer》2体が、可視と不可視を横断する視覚体験を提示する。

名和晃平《PixCell-Deer#72(Aurora)》2022 年、 個人蔵 ©Kohei Nawa, Photo by Nobutada OMOTE, Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE
箱根の大地と歴史に根ざした記憶、そしてそれに共鳴し飛翔するアートの現在。過去から未来へとつながる創造の旅に、ぜひ足を運んでみてほしい。
SPRING わきあがる鼓動
会期:2025年12月13日(土)~2026年5月31日(日) ※会期中無休
会場:ポーラ美術館 展示室1、2、3
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
入館料:大人 2,200円/大学生・高校生 1,700円/中学生以下 無料(15名以上の団体は割引あり)
主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
後援:箱根町、箱根町教育委員会
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