「ハンス・アンダーソン 個展」8/29(金)よりLOKO GALLERYで開催、非物質的な色彩と生成の痕跡をたどる
紙を主要な支持体としながらも、拾い集めた紙や布、油絵具、パステル、インクなど、多彩なメディアを用いて構成されるアンダーソンの作品は、非線形かつ探索的な制作プロセスによって生まれる。香りや録音された音の断片といった感覚的な触媒を通じて導かれるそのプロセスは、物質と非物質、時間と空間、感情と行動が交差する生成の痕跡だ。

Untitled, 100 x 70 cm, Mixed media on paper, (oilpastel, drypastel, ink and cloth on paper), 2025
本展では、「蓄積されたエネルギー」から「放たれたエネルギーの痕跡」へと移行する彼の近年の制作姿勢が如実に表れている。作品はもはや身体的な構築物ではなく、空気のように軽やかで、より非物質的な存在感を帯びている。
アンダーソンは、「内側(制作過程)」と「外側(完成作品)」を分けて捉える。「内側」は、物理的環境や時間の堆積、あるいは感情の動きが入り混じるプロセスの記録であり、「外側」はその可視化された痕跡である。両者は互いに溶け合い、平行しながら浸透し合う。

Untitled, 31.5 x 45 cm, Mixed media on paper, (oilpastel, drypastel, ink and cloth on paper), 2025

Untitled, 110 x 33 cm, Mixed media on paper, (oilpastel, drypastel, ink and cloth on paper), 2025
タイトルのない作品群は、観る者の解釈を誘発し、沈黙のなかに開かれた窓のような空間を浮かび上がらせる。空間と共鳴しながら変容する色彩は、もはや絵画的要素を超え、制作行為の記憶そのものとして立ち現れる。視覚の先へと誘う非物質的かつ霊的な体験が、静かに訪れる者を待っている。
【作家プロフィール】
ハンス・アンダーソンは1979年、スウェーデン・カルマル生まれ。ストックホルムを拠点に活動。2005年にスウェーデン国立工芸デザイン大学(Konstfack)で美術修士号を取得。異素材を用いた繊細な構成と、非物質的な色彩表現で国際的に高い評価を得ている。
【開催情報】
展覧会名:ハンス・アンダーソン 個展
会期:2025年8月29日(金)〜9月27日(土)
会場:LOKO GALLERY(東京都渋谷区鶯谷町12-6)
開館時間:11:00〜18:00(火〜土)
休館日:日・月・祝日
観覧料:無料
オープニングレセプション:8月30日(土)16:00〜18:00