DIGRAPHが描く線の表現とその軌跡の個展「Road of Lines “線の足跡”」が開催
彼らの新しい展示「Road of Lines “線の足跡”」では、“線”に焦点を当てた最新作SPUR series(シュプールシリーズ)を中心に、線表現の研究とその軌跡を紹介。雪原に残る「シュプール(そりやスキーの滑った跡)」のように、絵具上を絵筆が通ることで生まれる痕跡を描いたSPUR seriesは、人とコンピュータの共作によるデジタルパスをプロッターに装着した絵筆でなぞり、無機と有機が混在し、秩序と偶発が同居する独特なマチエールを作り出している。さらに、テクノロジーや機材、素材を独創的な感覚や方法で作品に取り入れた近作も合わせて展示する。
DIGRAPHの歩みを振り返りながら、彼らの線に対する探究心と革新性を体感できるこの展示は、“線”というテーマを通じて、私たちの日常に潜む美しさや可能性を再発見するきっかけとなるだろう。
-アーティストコメント
長年、“線”について考えてきました。
短ければ点となり、
集まれば面になり、
インクが違えば面持ちは大きく変わり、
インクが掠れても新しい風合いが生まれる。
線は様々な表情を私たちに見せてくれます。
本展は、線に向き合ってきたこれまでの“歩み”の展示です。
Plotter Drawingという手法によって、
人の手癖を排除した純粋な現象としての線を観察し、
独自の線表現を続けてきた私たちの道のりです。
線もまた、道のようだと思います。
筆材が通っていった軌跡としての、道。
その通り道に残った、多様な“線の足跡”をぜひご覧ください。
「SPUR series」 ユポ紙、水彩絵具 / 2024
-about DIGRAPH
デザイナー深地宏昌とプログラマー堀川淳一郎により2023年に結成されたクリエイティブスタジオ。「We are Computational Craftsmen」を活動コンセプトに掲げ、コンピュータを操る数理的思考力とそれを美しく具現化するクラフトマンシップとを融合させた新しい表現の研究を行う。プロッターや3Dプリンターなどのデジタルファブリケーション(コンピュータ制御によって動作する機器)を主な表現ツールとし、「コンピュテーショナルプロセス」と「手を動かす試行」の両方を大切にしながら、デジタルとフィジカルを融合させた表現の開発とその可能性の提示を目指す。
公式サイトはこちら
深地宏昌/デザイナー・グラフィックリサーチャー
1990年大阪府生まれ。プロッター(ベクターデータを変換・出力する機器)を用いてデジタルとリアルの境界に生じる偶発的表現をつくり出す手法「Plotter Drawing(プロッタードローイング)」を軸に新しいグラフィック表現の研究を行う。カンヌライオンズ、ザ・ワン・ショー、ニューヨークTDC賞、D&ADアワードなど受賞多数。
堀川淳一郎/プログラマー・アルゴリズミックデザイナー
1984年東京生まれ。Columbia University GSAPP AAD修了。幾何学や自然の生態をヒントに、アルゴリズムを利用した様々な形態の生成・研究を長年行っている。現在Youtube上で定期的にアルゴリズミック・デザインに関するチュートリアルライブ配信や動画を上げている。ザ・ワン・ショーや文化庁メディア芸術祭などで受賞。著書に「Parametric Design with Grasshopper 」と「Algorithmic Design with Houdini 」がある。
[展示歴]
2023年 「We are Computational Craftsmen」/ CONTRAST(東京)
2023年 「NATURE/CODE/DRAWING」/ GALERIE DATA(パリ)
Otherwise Gallery
開催期間:2024年6月14日〜2024年7月6日
住所:東京都港区南青山5丁目7−17 小原流会館 B1F
Tel:03-3797-1507
開館時間:12:00 – 19:00
休館日:Sun, Mon, Tue
入館料:無料
・DIGRAPH 作家在廊予定
6月14日,15日,22日,29日
7月6日