「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」が4/24(水)より森美術館で開催
シアスター・ゲイツは、米国シカゴのサウス・サイド地区を拠点とし、彫刻と陶芸作品を中心に、建築、音楽、パフォーマンス、ファッション、デザインなど、メディアやジャンルを横断する活動で国際的に高く評価されている。
彫刻と都市計画の教育を受けたゲイツは 2004年、愛知県常滑市で陶芸を学ぶために初来日し、以来20年以上にわたり、陶芸をはじめとする日本文化の影響を受けてきた。
日本やアジア太平洋地域での印象深い出会いや発見、そして米国ミシシッピとシカゴにルーツを持つアフリカ系アメリカ人として生きてきた経験が、彼の創作の礎となっている。アーティストとして文化的ハイブリディティ(混合性)を探求してきたゲイツは、アメリカの公民権運動(1954-1968年)の一翼を担ったスローガン「ブラック・イズ・ビューティフル」と日本の「民藝運動」の哲学とを融合した、独自の美学を表す「アフロ民藝 」という言葉を生み出した。
ゲイツの日本初、そしてアジア最大規模の個展となる本展では、この「アフロ民藝」という実験的な試みを軸に、これまでの代表作のみならず、本展のための新作を含む日本文化と関係の深い作品などを紹介する。
これまで多数派の声のみが取り上げられてきたことが問い直され、視点の多様化が求められる昨今、グローバルなアートシーンでは、第一線で活躍する黒人アーティストたちの表現に見られる多層的な経験が注目されている。黒人の歴史は、日本人の一般的な知識としては馴染みが薄いかもしれないが、本展はゲイツの多角的な実践を通し、世界で注目を集め続けるブラック・アートの魅力に迫ります。同時に、手仕事への称賛、人種と政治への問い、文化の新たな融合などを謳う現代アートの重要性を実感する機会となるだろう。
《ドリス様式神殿》 2022年 展示風景:「シアスター・ゲイツ展:ヤング・ローズと彼らの軌跡」ニュー・ミュージアム(ニューヨーク)、2022-2023年 撮影:クリス・ストロング
展示風景:「シアスター・ゲイツ展:土の説教」ホワイトチャペル・ギャラリー(ロンドン)、2021-2022年 撮影:テオ・クリステリス 画像提供:ホワイトチャペル・ギャラリー(ロンドン)
シアスター・ゲイツ
1973年、米国イリノイ州シカゴ生まれ、同地在住。アイオワ州立大学と南アフリカのケープタウン大学で都市デザイン、陶芸、宗教学、 視覚芸術を学ぶ。土という素材、客体性(鑑賞者との関係性)、空間と物質性などの視覚芸術理論を用いて、ブラックネ ス(黒人であること) の複雑さを巧みに表現している。2004年、愛知県常滑市「 とこなめ国際やきものホームステイ」(IWCAT)への参加を機に、現在まで20年にわたり常滑市の陶磁器の文化的価値と伝統に敬意と強い関心を持ち、陶芸家や地域の人々と関係を築いてきた。
シアスター・ゲイツ・スタジオ(シカゴ)にて
撮影:クリス・ストロング
シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝
会期:2024年4月24日〜9月1日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
開館時間:10:00〜22:00(火〜17:00、ただし4月30日、8月13日は〜22:00)
※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:会期中無休
公式サイト
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)