アーティゾン美術館 屋外彫刻プロジェクト、リンディ・リー《無数の星座がうまれる》が完成
ビルの建て替えと新たな美術館構想のもと、2010年頃から構想されてきた本プロジェクト。アーティゾン美術館が所在するミュージアムタワー京橋とTODA BUILDINGが構成する街区「京橋彩区」の「まちに開かれた芸術・文化拠点」という理念も背景に、この街にふさわしい屋外彫刻のあり方が模索されてきた。その結実として、レイチェル・ホワイトリードとリンディ・リーの二人に新作が委嘱され、2025年7月のレイチェル・ホワイトリード作品設置に続き、本作が完成を迎えた。
リンディ・リーは1954年ブリスベン生まれ。中国系オーストラリア人としての経験、道教や禅宗への関心、そして太古の姿をとどめるオーストラリアの自然との共生を背景に、絵画、彫刻、インスタレーションを横断しながら40年以上にわたり制作を続けてきた作家だ。火や水、偶然性を取り入れる手法によって、「自己」と「他者」、「物質」と「精神」といった境界をゆるやかに揺さぶり、私たちが自然と複雑に結びついた存在であることを浮かび上がらせてきた。

リンディ・リー《無数の星座がうまれる》2026年、鋳造・ステンレススティール © Courtesy the artist

リンディ・リー《無数の星座がうまれる》2026年、鋳造・ステンレススティール © Courtesy the artist

リンディ・リー《無数の星座がうまれる》2026年、鋳造・ステンレススティール © Courtesy the artist

本作設営中のリンディ・リー
《無数の星座がうまれる》(2026年、鋳造・ステンレススティール)は、昼と夜で異なる相貌を見せる。日中、磨き上げられたステンレススティールの表面は周囲の景色や鑑賞者の姿を映し込み、都市の風景へと溶け込む。だが夜になると、内部から放たれる光が無数の穴を通して外へとこぼれ出し、呼吸するかのような気配をまといながら空間に立ち上がる。
作家は本作について、「宇宙は、過去に起きたすべてのこと、今まさに起きていること、そして未来に起こるすべてのことの長さ、深さ、広がりそのもの」であり、《無数の星座がうまれる》は「あらゆる存在が生まれる連続体」を表現したものだと語る。そして私たち一人ひとりが宇宙の一部であり、宇宙もまた私たちの一部であるという感覚へと鑑賞者を誘う。
【プロフィール】

リンディ・リー Photo: Elise Derwin
リンディ・リー
1954年、ブリスベン生まれ。中国系オーストラリア人としての経験や、道教・禅宗への関心を背景に、宇宙観と物質観をテーマに制作を行う。彫刻や絵画、インスタレーションにおいて火や水、偶然性を取り入れた手法を展開。代表作《ウロボロス》(2024年、オーストラリア国立美術館設置)などがある。2024年、オーストラリア勲章(AO)を受章。
【展示情報】
作品名:リンディ・リー《無数の星座がうまれる》
完成日:2026年1月30日
設置場所:アーティゾン美術館 屋外(ミュージアムタワー京橋/京橋彩区内)
住所:〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-2
アクセス:JR東京駅(八重洲中央口)、東京メトロ銀座線 京橋駅(6番、7番出口)、東京メトロ銀座線/東西線/都営浅草線 日本橋駅(B1出口)から徒歩5分