「それは川だったか、用水路だったか」、記憶の揺らぎをなぞる色彩の旅──森椋平の初個展が光灯で開催中
2001年生まれの森椋平は、多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業後、仕事と制作を両立しながら作品を発表し続けている。本展は、彼がこれまで積み重ねてきた絵画制作を、ギャラリーという場で初めて広く公開する機会となる。
森の作品は、幼少期の記憶や日常の断片といった、言葉にしがたい曖昧な映像感覚をもとに描かれている。看板の残像、誰かとの会話、あるいは風景の一部──それらが「図像」として浮かび上がり、絵筆によって再構築されていくプロセスが画面に滲む。抽象性と具象のあわいをゆらめきながら立ち上がる構図、鮮やかで奔放な色彩は、記憶の奥に潜むイメージに輪郭を与えながら、観る者をどこか懐かしい風景へと誘う。

《階段》 2025年 キャンバスに油彩 530×455mm Photo by Hina Kurosaka

《住処の日々 他者の日々》 2024年 キャンバスに油彩 2000×7000mm Photo by Yasunori Tanioka
森は「薄れていく記憶に、絵筆であれば追いつけるのではないかと思う」と語る。描くことそれ自体が思考であり、自身を自由な状態に保つ行為でもあるという。作品は完成という概念を手放し、今まさに生成されている現在進行形の絵画として、生命感を宿している。
展覧会では、「昨日の植物3」などの近作を含む複数の油彩作品が展示される。柔らかな混沌のなかに立ち上がる色とかたち、それらが何を語るのか──観る人それぞれの記憶と重なりながら、静かに問いかけてくる。
【プロフィール】
森椋平(もり・りょうへい)
2001年千葉県生まれ。多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。埼玉県在住。
Instagram:@ryoheimori_0718
【開催情報】
展覧会名:森椋平「それは川だったか、用水路だったか」
会期:2026年1月8日(木)〜1月25日(日) ※木〜日のみ開廊
開廊時間:木・金 13:00〜19:00、土・日 12:00〜18:00
オープニングレセプション&BAR:1月10日(土)19:00〜21:00
会場:光灯
住所:〒101-0037 東京都千代田区神田西福田町4-5 神田ビル3F
URL:www.kohtoh-gallery.com
Instagram:@kohtoh_gallery