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千葉正也による個展「絵画とiPS心筋細胞シート」がShugoArtsで開催、野菜と絵画が響き合う静かな冒険

Jul 29, 2025
六本木のアートギャラリー ShugoArtsにて、千葉正也の新作個展「絵画とiPS心筋細胞シート」が開催されている。会期は8月2日(土)まで。

千葉正也による個展「絵画とiPS心筋細胞シート」がShugoArtsで開催、野菜と絵画が響き合う静かな冒険

Jul 29, 2025 - NEWS
六本木のアートギャラリー ShugoArtsにて、千葉正也の新作個展「絵画とiPS心筋細胞シート」が開催されている。会期は8月2日(土)まで。

本展は、ここ数年千葉が制作を続けている「絵画と野菜」シリーズを中心に構成されている。

千葉は、絵画の隣に野菜を配置してみることで、両者のあいだに「野菜が絵画を助け、補っているような独特の関係性」が立ち現れることに気づいたという。そこにあるのは、単なる異素材の組み合わせではなく、閉じた絵画空間の外へと精神性を広げていく試みである。

2010年代中頃までの千葉は、二次元のイメージや三次元のオブジェ、テキストなどを複雑に画面に詰め込んだ多層的な構成で知られていたが、近年では画面の中の情報が整理され、空間全体で絵画を再考するようなインスタレーション的なアプローチへと移行している。2023年の「横の展覧会」では、展示空間を90度回転させたかのような絵画の配置によって鑑賞者の視覚と身体に揺さぶりを与えた。

今回の展示でも、静物画という伝統的形式を足がかりに、野菜や日用品、音、エッセイなどといった様々な物との関係を通じて、絵画の外側に新たな出口を設けようとしているように見える。千葉自身は静物画について「世界に対して困惑するためのフィールド」と語り、絵画は「誰にも気を使わずに愕然として良い場」として設定していると言う。

本展は、形式や素材といった美術の根源に触れる静かな問いかけであり、絵画というメディアの可能性を改めて見つめ直す機会となる。

千葉正也, 絵画と杖、最安の酒(化粧台), 2025, oil on canvas, panel, cane, liquor, 35x43cm Copyright the artist, Courtesy of ShugoArts, Photo by Shigeo Muto

千葉正也, 絵画とiPS心筋細胞シート, 2025, ShugoArts Copyright the artist, Courtesy of ShugoArts, Photo by Shigeo Muto

千葉正也
1980年、神奈川県生まれ、東京都在住。自作モチーフや環境・過去の記憶から得たイメージを繰り返し描き、卓越した描写力で現実・虚構・素材感を横断する複雑な絵画世界を構築。伝統と現代を自在に往還しながら、絵画の可能性を探る。主な展覧会に「The 11th Asia Pacific Triennial of Contemporary Art」(オーストラリア、2024)、「千葉正也個展」(東京オペラシティアートギャラリー、2021)など。
Instagram:@c.masaya

千葉正也個展「絵画とiPS心筋細胞シート」
会期:2025年6月28日(土)〜8月2日(土)
会場:ShugoArts
住所:東京都港区六本木6丁目5番24号 complex665 2F
開廊時間:火〜土曜 11:00〜18:00(日・月・祝休廊)
入場料:無料
URL:https://shugoarts.com
Instagram:@shugoarts

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