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OFF THE HOOK – INTERVIEW|feat. YUUKI from CHAI

Oct 24, 2020 - ART/DESIGN

OFF THE HOOK

それは「窮地を脱する」という意味と同時に、「自由になる」「超クール」という表現としても使われる。

本テーマのもと、日本を代表するバンドCHAIでBassを担当し、作詞やアートワークも手掛けるユウキをゲストに招き、ユウキ本人が買い付けた古着をセルフカスタムした商品をQUIにて限定販売する。

「持っていないものを奪い合う社会」ではなく、「ないものは自分で作り出す社会」へ。

そんなメッセージが込められた至極のアイテムの制作の舞台裏と、ユウキにとっての“ファッション”、そしてその多才な“クリエイティビティ”に迫る。

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ファッション編

-好きなファッションアイテムは何ですか。

なんだろな、、、ワンピースが好き!キャミソールも好きだし、短い丈もロングも好きだし、ワンピースだったらなんでも好き!夏だったら、ピンクのワンピースとか豹柄のワンピースみたいに一枚で着れる強気なワンピースが好き。

ー普段よく買い物する場所はどこですか。

古着が好きで、下北の古着屋さんはよく行ってる。色々といい物があればセレクトショップでもネットでも買うし、メンズ物も好きだし、めっちゃラブリーなのも好き

海外ツアーの時もたくさん買い物しちゃう。スリフトショップというか、服もあるし雑貨もあるリサイクルショップとかでも買うことも多いかな。日本でツアーするときも現地の古着屋さんをリサーチしてから行きます。

ー古着はいつ頃から好きだったのでしょうか。

地元が岐阜なんだけど、もののけ姫の世界かと思うくらい奥地だから古着屋さんも全然ないの。

名古屋の大学に進学した時に、大須に古着屋さんが多くって「わぁ好き!」ってなって。
上京したら「めっちゃあるじゃん!」ってなって古着にハマりました。

ー洋服を買う時に意識してるポイントはありますか。

年代とか合わせやすさとか考えてたことなくって。もう、一目惚れしたらとりあえず買うって感じ。無難で使いやすそうとかは考えてなくて、主張があって、ときめく物が多い。形がいいっていうのもあるし、ピンクが好きなのでよく買っちゃ

ーCHAIといえばピンクですが、皆さんやっぱりピンクが好きなのでしょうか。

好きだと思う。普通に黒とか違う色も着けど、みんなピンクの服持ってます(笑)。

ークローゼットには何着くらいありますか。

えー、数えたことないけど、古着を買うついでに売ることもあるかな。古着屋さんに売って、新しくちょっといい物を迎え入れるみたいな。数を減らした上で迎え入れるみたいな事を良くするので、結構回ってる感じかな。長く持ってる子もいるけど、回すのも楽しい。卒業させていく感じかな。

ー好きなファッションブランドはありますか。

little $uzieがちょっと変わった形が多くって好き!新品でも同じようなのは見かけないし、古着でも見ない形が多いから好き。あとは、なんだろうな。あんまり持ってないけど、PALOMA WOOLっていうスペインのブランドが好きです。デザインもシルエットもアートっぽい感じが好き。着心地もいいし、ちょっとずつ揃えていきたい。

ー好きなコーディネートや、これから挑戦してみたいスタイリングはありますか。

結構なんでも着るんだけど、メンズっぽいのも好きだし、超ラブリーなのも好き。あと、面白いのも好きだから、ポケモンのプリントTみたいなネタっぽいのも好き。

ゼニガメのTシャツとか(笑)。あと今欲しいのはヒールの靴!スニーカーとか、ぺったんこのサンダルばっかり持ってるから、ヒール欲しいってずっと思ってるし、ヒールをカッコ良く履ける服が着てみたい。カッコイイ女みたいな。

ー憧れのファッションアイコンはいますか。

すごく有名だけどReese Blustein が好き!自分のコーディネートをアップしていて、フォロワーも30万人くらいいるインスタグラマーさんで、モデルもやったりしてるみたい。アイテムひとつひとつ可愛くて、それを個性的な合わせ方してるの。双子のもう一人の子のモリーちゃんも同じ感じでやってるみたいなんだけど2人でファッションショーに招待されてたりするんですよね。なんていうんだろ、個性的というか、どこで買ってるんだろっていうシルエットの服とか、色の組み合わせ方も可愛いなって思ったり。派手と派手の組み合わせが凄く上手で、見てるだけでも楽しい。

ーInstagramはどういった使い方する事が多いのでしょうか。

すごい見ちゃう。手軽だし、どこでも見れるから一番のインプットの源になってるかな。好きなファッションの人とか、ブランドとかアートやってる人とかもそうなんですけど、最初に沢山フォローしちゃえば後はどんどん流れてくるから便利で。気になったらすぐフォローして、いいなと思ったり、気に入ったのは保存して参考にしてます。こんな組み合わせで服を着てみようとか、CHAIの撮影する時の衣装やポーズの参考にもしてる。あとは、絵を描いてる人のInstagramを見て、色の合わせ方とか、描き方が気に入ったら全部保存してるかな。

ーユウキさんにとってファッションとは?

えー!なんだろ、、、。名言的な言い回し、、というかカッコよく言いたい(笑)。

でもシンプルに、一番簡単に自分を表現できるモノというか、「今日のわたしはコレ!」って感じ。元気がない時はあえて明るい服を着たり、自分のテンションをあげる武器でもある。

 

クリエイティブ編

ーデザインやベース、絵はいつ頃から始めたのでしょうか。

デザインを始めたのはCHAIのメンバーになってからで、ジャケットのデザインが最初。

ベースもCHAIでベースしか余ってないから始めた(笑)。絵は昔から好き。クレヨンとか色鉛筆とかで描いてたけど、ずっと出来なかったのは塗り絵で、はみ出ないように塗るっていうのが唯一出来なくて、今でも全然はみ出る。

ー規格外の才能だけに(笑)。作詞はいつから始めたのでしょうか。

すごいポジティブ!作詞もCHAIに入ってから。メンバーが4人いるのに、唯一本を読めるのがわたしだけで。みんな縦読みの本だと、読んでた行から次の行を読むのに一行飛ばしちゃうみたいな。唯一本が読めるなら作詞もできるんじゃないかってことを言われて、じゃあ書いてみるっていう適当な理由で始めました(笑)。

ー歌詞はどういったインスピレーションから書いているのでしょうか。

CHAI には「ニュー・エキサイト・オンナバンド(NEO)」っていう軸があるから、そこからどうするかっていう考え方かな。誰かと同じようなことしたくなくて、誰もやってないことやりたいっていうのが強いから、普通は言わないようなことを書いたり、皆が言ってることを違うアプローチで表現してみたり、、そういう意地で考えてる。そして全体的にはLOVE MYSELF をテーマにしてるよ。

ー過去の体験や思い出が元になっているのでしょうか。

実体験を歌詞にっていうのはあんまりしたことないかな。失恋したから恋愛ソングみたいな直球のことはしない。けど、実際に感じた事を曲にするから、ちょっと違うことに置き換えるみたいな。例えば「れちゃった」っていう曲があるんですけど、あれはラブソングかと思いきや餃子へのラブソング。「対人間じゃないんかい!」みたいな。もちろん餃子を食べたのも好きなのも実体験だけど、「餃子を食べたよ〜」っていう風には書かないで、ちょっとひねくれた感じにしたいの。

ーそういった「ひねくれ根性」みたいなものはどこから来てるのでしょうか。

CHAIの4人でも全体的な方向性ちょくちょく話してる。世界中の音楽からインスピレーションを受けてMIXしたいっていうのは凄いあるかな。洋楽のインプットを受けた方が日本人としてのアウトプットも幅が広がるというか。そうやって、ライブの構成もMVも歌詞も面白くしたい。じゃないとやってる意味がないと思ってる。

みんなと同じ感じだとつまんないし、色んな表現をするんだけど「コンプレックスをアートに」っていうテーマ持ってるのが、一番かっこいいアーティストなんじゃないかっていうのは最初に4人で話しました。芯がブレない上で、オリジナリティどんだけあるかみたいな。なので、そういうひねくれ根性とか、反発心は強い(笑)。

ー普段どのように音楽を探したり聴いたりしているのでしょうか。

実はあんまり掘れてないの。古着と同じで、ジャンルや年代で聴いてなくて、アーティストも「この一曲が好き!でも他は知らない!」みたいな。「他にどんな曲があるんだろう?」とか調べたりはしなくって、ただ「好き!」って感じで、ハマったらハマるし、昔と比べても好みはどんどん変わっていく。だから、好きな曲から芋づる式に掘れる人は凄いなって思う。ミュージシャンの人に「どんなの聴いてるの?」とか聞くと、みんなちゃんとその音楽の時代背景とか、どうしてそれが生まれたのかとかすごく詳しいんだけど、そういうのになかなか興味が湧かないから色んな感覚があるんだなって。CHAIは色んな曲をつまみ食いって感じ。だから、マニアの人って尊敬しちゃう。

ー特に好きなアーティストや、影響を受けたミュージシャンはいますか。

影響を受けることは特にないけど、今好きなバンドは二つあって、一つはChinatown Slalomっていう4人組の男の子のバンド。まだ一枚しかアルバムも出してないみたいなんけど、Instagramのストーリーで好きなアーティストって上げたら向こうから「マジ嬉しい!」って連絡くれたの。そのまま「CHAIの曲だとアレが好き!」みたいな話になって、「ありがとう!今度会えるといいね!」っていうやりとりができた。

もう一つ好きなのがRemi Wolfっていう女の子のアーティストで、この人も最近アルバム出したみたい。可愛い感じかな。最近はちょっと緩いファンクとか、モータウンっぽいのが好き。後はお家で刺繍するときにバッハとか聴く。

Spotifyにバッハのプレイリストがあって聴いてたらすごく良くって、「バッハ可愛い曲作るじゃん!」ってなった(笑)。バッハを聴きながら外を歩こうとは思わないけど、お家で聴くのすごくいいなって。たまにはクラシックもいいなって思った。

ーバンド結成時にベース未経験だったとは思えないテクニックですが、何かコツや努力したことはあったのでしょうか。

コロナウイルスが流行ってから、スタジオに入れなくて、レコーディングも出来ないし、ライブも出来ないから二ヶ月間くらいベース触れてなかったんだけど、久しぶり弾いてみたら前より上手くなってる気がして。だから毎日弾けばいいわけじゃないんだなって。

イメージトレーニングじゃないけど、練習があまりできない分、音楽はいっぱい聴いてたから改めて新鮮な気持ちが蘇ってきたり。前よりもドラムのリズムに上手く乗れてる気がしたし、ベースに触れなかったからこそ気付けたことも多いと思う。練習が向いてないっていう言い訳かもしれないけど(笑)。

ーベース未経験の中、一番最初にレコーディングした時の気持ちを教えてください。

そこにドラムがあるっていうのに感動した!あと、天井からライトが当たってて、すっごいキラキラしてて、「わぁ〜すごい!」みたいな!実はそれまで誰かが演奏してるところしか見たことなかったから、「ドラムってこんなに大っきいんだ!」とか、「ベースってこんなに重いんだ!」って思った。リスナーとして音楽を聴いてる時に、ベースがカッコいいって思ってたんですけと、好きだった分凄く責任が重大なポジションだなって思いました。意外とリズム感が良かったところが唯一の救いだった(笑)。

ー作詞やアートワーク等の創作のインスピレーションはどこから来ているのでしょうか。

歌詞はアレンジもメロディも完成した曲を聴いた後に書き始めるから、まずはひたすら曲を聴いてます。「ロマンチックな曲だね!」とか、「激しい感じだね!」とか色んなパターンがあるからまずは曲を聴いてから考える。CHAIはメロディや曲全体のイメージが一番大事にしてるから、言葉や意味を付けていくのは後って言う感じかな。

あと、普段からキーワードリストをメモしてる。海外に行くと面白い英語の並びがあったりするから。例えば、アメリカで朝ごはんを食べたレストランのメニューに「bacon direct」ってあったんだけど、パンチ力が凄いからいつか曲にしたくてメモに残したり。そんな風に、日本でも海外でも面白いなって思ったら何でもメモして、合いそうなメロディや曲が来たらハメてみたり。もちろん、歌にして聴いてみた時の歌いやすさも大切だから、歌になった状態で聴いてみて「もう少しこうしたい!」っていう調整はする。でも、曲によって歌詞の作り方は違うし、作り方は特に決めてないかな。

ーCHAIで唯一本が読めるということでしたが、作詞において本も参考にすることはありますか。

原田マハさんの「本日はお日柄もよく」っていう本を最近読んだんだけど、ビックリするくらいハマっちゃって、すぐに原田マハさんの別の本を4冊くらい買っちゃった。

これが本当に感動する。OLの女の子が主人公で、結婚式のスピーチに感動してスピーチラータ―として弟子入りするっていう内容なんだけど、言葉の伝え方っていう意味でもすごく勉強になりました。たまたま本屋さんに行った時に「全人類に読んで欲しい」っていうキャッチコピーを見て、「じゃあ読もう」って買ったらハマっちゃいました。

ー他にはどんな作家さんや本が好きですか。

なんでも読むけど、西加奈子さんとか。TVに出てる時の喋ってる雰囲気や声も好き。伊坂幸太郎さんも言葉のチョイスが好き。あと、桃山商事さんの「モテとか愛され以外の恋愛の全て」も面白かった。例えば、デートとご飯の関係って絶対通ると思うんだけど、相手の食べ方が気にいらないとか、他にも恋愛とお金とか、恋愛と遊びとか、小説ではないんですけどリアルで面白かった。

ー今回のQUIの企画でご自身で買い付けもカスタムもして頂いたのですが、これも始めてということで苦労したことはありましたでしょうか。

刺繍は前にハマってた時期があったけど、やったことない事をするの好きだから「いえーい!」って感じで楽しかった!ブリーチも他の生地で試したりせずに、いきなりチェックの生地にどばーってやってみたり。どうなるか分からないままぶっつけ本番でやって仕上がって見たら「いいじゃん!」ってなって、じゃあ次こうしようみたいなノリで進めちゃった(笑)。

絵を描く時も、最初に頭の中でイメージはするけど、最終的には全然ちがうものになる。とりあえずやってはみるけど、それ見て「もっとこうしよう!」って変えちゃうから計画通りに行ったものが一つもないの。例えば花柄のTシャツも、花の総柄にしようっていう計画はあったんだけど、もっとレインボーなイメージだったし、黒のフチをつけるつもりもなかった。ピンクと白を混ぜてるのも、混ぜようって思ったんじゃなくて、混ざっちゃって。でも「混ざっちゃったのいいじゃん!」ってなって、そしたらフチ付けた方が可愛いってなったの。最初の計画とは違うけど、全部失敗じゃなくてなるべくしてなった感じ。計画通りじゃなくても、結果的に可愛くなったしラッキー(笑)。

とりあえず計画通りやってみて、「あ、これは可愛いからこのまま行こう」とか、「なんか違うから、ここはこうしよう」ってどんどん変えていっちゃう。最初の計画が絶対だと思ってたら全部失敗になっちゃうけど、作りながらもっといいものになるようにしていくから結局120点。

ー様々なクリエイションを手掛けていますが、小さい頃から何か作るのは好きだったのでしょうか。

昔は引っ込み思案だったから、絵を描いても恥ずかしくて人に見せられなかった。今とは全然違うかも。色んなものに挑戦するっていうと響きはいいけど、飽きっぽい性格なのかも。何かにハマったら、また新しいことをやってみたくなっちゃう。最近は轆轤を使って食器を作ってみたいの。泥遊び好きだし。今は作るのが大好き!

ー今回、古着をリメイクする上でこだわったポイントや伝えたいことはありますか。

リメイクって言っても、ミシンを持ってないので作り替えることが出来ないんよね。

ある程度の事しか出来なくって。なので、ビフォーアフターのメリハリをしっかりつけたかった。「そう来るか!」みたいな。元々リメイクされていたデニムも、更にリメイクしなきゃいけないから、ペイントやブリーチで全然違うものにしたかった。

あとは、意外と刺繍が大変だった!我ながら刺繍には自信あったし、めっちゃ早く縫えるんだけど、それでも全然終わらなくって。特に緑のパンツ。やってもやっても終わらなくって、お腹が空くまでずっと縫い続けてた(笑)。改めて刺繍って大変だなって勉強になりました。

ー次に試してみたいことはありますか。

個展は一度もやったことないからやってみたい。でも、個展のイメージってちょっと緊張感あるなって思ってて。大きな美術館に行ったり、誰かの個展に行くのもすごい好きなんだけど、静かだし、入ってどんな感じで見たらいいのかとか、人が少ないと緊張感があるから、もし自分で個展をやるならもっと楽しくってフランクな感じにしたい。

ーユウキさんにとって、クリエイティブとはなんでしょうか。

マグロって止まったら死んじゃうって言うでしょ。たぶん、わたしも作らなくなったら死んじゃうと思う。マグロです、わたし(笑)。

ー最後に、今回の企画テーマの『OFF THE HOOK』についてユウキさんが思うことを教えてください。

(コロナ禍において)アーティストとして今まで当たり前にできていた事ができなくなってしまったことは残念だけど、どんな状況であっても、時代や環境が変われば音楽の表現方法も変化するし、その受け取り方も変わっていくのは当然だと思う。

だから、アートの表現方法が大きく変わることを全然マイナスだと思ってない。わたしだけじゃなくて、CHAIのみんな「ライブができない!どうしよう!」とはならないし、今だからこそ出来ることもいっぱいあると思うから、CHAIらしく、面白くて新しい表現を発明しちゃおうって思ってる。

今回の企画も人生初のチャレンジだったからすごく楽しかったし、どんな挑戦もとっても楽しいから、予想外のできごとも、予想外な形でアウトプットできたらいいなって。CHAIのみんなも、どんな状況になっても、ポジティブに捉えてチャンスにしていきたいと思って

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  • Model : YUUKI(CHAI)
  • Cheki : Hiroshi Manaka / Keidai Shimizu
  • Text : Takehiko Sawada
  • Concept Making / Photography / Edit : Hiroaki Ubukata