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向井太一 × claquepot − TALK ABOUT “COLORLESS”【後編】

Apr 28, 2021 - FASHION
シンガーソングライター 向井太一の4thアルバム『COLORLESS』をリリースを記念し、盟友claquepotと対談。後編では『COLORLESS』を聴いたclaquepotから向井太一への質問、そして表現における外見と内面について。
FASHION
向井太一 × claquepot − TALK ABOUT “COLORLESS”【前編】
Apr 25, 2021

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Shirt(light blue) ¥60,500、Shirt(white) ¥62,700、T-shirt(3pac stripe T-shirt) ¥55,000、Pants ¥77,000、Shoes ¥71,500 / MARNI (MARNI JAPAN CLIENT SERVICE 0120-420-502)

 

 

 

 

 

— 後編ではまず、向井太一さんのアルバム『COLORLESS』について、claquepotさんから聞きたいことを自由に聞いてもらえればと思います。

claquepot:いっぱいある、どうしよう。じゃあまず、俺がめっちゃ気になっている、『COLORLESS』なのにジャケが“カラーレス”じゃないこと。これはどうして?

向井太一(以下、向井):おお、ありがとうございます! 説明するために、アルバムのコンセプトからお話しさせてもらいますね。僕、デビュー前から、音楽はもちろんなんですけど、ビジュアルとかアートワーク、スタイリング……全部自分でやってたんです。音楽以外にもコラムを書いたり、モデルっぽいことをしたりと、幅広く活動をしていたから「インフルエンサーが音楽やってる」みたいなこともすごく言われて。でも全部好きなことだったし、どの間口から入ってくれても、最終的に僕の音楽にたどり着いてもらえればいいと思っていて。そうやって自分のやりたいことを幅広くやってきて、いろんな色をまとったのが今の自分だと思っているんです。

claquepot:そうだよね。

向井:ところが『SAVAGE』の時期に、「器用だからいろんなものに手を出せていたけど、果たして自分に才能はあるんだろうか」と悩んでしまって。でもそれを乗り越えたときに、いろんな色をまとった状態であろうがなんだろうが、自分は音楽をやりたいという最初の想い、色のないまっさらな部分は変わらないんだなということを再確認したんです。

claquepot:うんうん。

向井:どんなに色鮮やかに見えても、根底に無色透明な自分がいればこれからもブレずにやっていけるし、自分自身を好きでいられる。それに気付いたことが“COLORLESS”というコンセプトの始まりで。ジャケットでは外側から見える自分を、楽曲ではミュージシャンとしての自分の内面を表現したかったんです。

claquepot:なるほど。私はすごくいい質問をしたようですね(笑)。

向井:ありがとうございます! あとはやっぱりT.Kuraさんのことですよね?

claquepot:そこは聞きたい。

— 先行配信もされた『BABY CAKES』ですね。T.Kuraさんプロデュースによる楽曲で、作詞にはmichicoさんとT.Kuraさん、作曲にはT.Kuraさんと向井さんがクレジットされています。

claquepot:やっぱりいつかGIANT SWINGとやりたいと思ってたの?

向井:やりたかったんですけど、やれると思ってなかったというのが正直なところで。始めにチーム内でT.Kuraさんとやりたいっていう話をしたときは「まだちょっと早いんじゃない?」と言われていたんですけど、T.Kuraさんが面白く思ってくださって。本当に夢のような出来事です。自分がミュージシャンを目指す前から、プロデューサーというものを意識せずにT.Kuraさんが手がけていた楽曲を聴いていたので。

claquepot:しかもこの曲は珍しく自分で作詞してないじゃん。それはどうだった?

向井:僕はT.Kuraさんとご一緒するときは絶対にmichicoさんに詞を書いてもらうって決めてたんですよ。

claquepot:GIANT SWINGコンビで、と。

向井:そう。だから僕はもう関わらなくて大丈夫ですって。リスペクトを込めた呼び方しますけど、T.Kura×michicoの曲をずっと聴いて歌っていたので、歌詞も自分が書いていないからといって全然違和感はなかったですね。

claquepot:そうだよね。それを軸に形成されてきたところあるもんね。

向井:はい。でも言葉選びが自分とは違うから面白いなと思いました。自分で書くときは自分を男とするか女とするかハッキリさせないようにしていて。「君」とか「あなた」とかそういう言い回しをしているんですけど、『BABY CAKES』は男女を象徴しているというか、明確にしているところがあって。

claquepot:確かに。

— 歌うときの気持ちは、自分で書いた歌詞を歌うときと違いますか?

向井:自分の人生や私生活ではないので、確かにいつもとは別の気持ちですね。でもmichicoさんの歌詞を歌えることに対してはミーハー過ぎて……うれしい!楽しい!みたいな(笑)。

claquepot:あははは(笑)。でもそれってすごい純粋な気持ちだよね。歌詞でいうと、ガッシー(GASHIMA)との共作が多いのも驚いた。

— GASHIMAさんは『僕のままで』『Love Is Life』の作詞にクレジットされています。

向井:前編でお話ししたように、去年から今年にかけて「よりたくさんの人に伝わってほしい」という気持ちになっていたので、歌詞の面で、自分の伝えたい想いを明確に言葉にしてくれる人はいないかなと思っていて。そこでGASHIMAさんを紹介していただきました。GASHIMAさんの言葉は自分の体にもすんなり馴染む感覚があります。

claquepot:なるほど。共作するとき、作業はどんな割り方になるの?

向井:最初は全部自分で書きます。

claquepot:それから「こっちの表現にしてみたらどう」とかそういうやりとりが?

向井:そうですね。あとは「こういう気持ちなんですけど、どんな言葉がありますか」みたいな相談をしたり。いずれにしても、最初にどういう思いで、どういう曲を作りたいかというのは必ずお話させていただきました。

claquepot:そうだったんだ。作詞にこんなにほかの人が関わってるの、珍しいよね。

— 他の方に託す部分が増えることで不安などはないんですか?

向井:ないですね。「これ、歌えるかな」みたいな不安はありますけど(笑)。自分の好きな方たちにお願いしているので、むしろ「どんな感じになるんだろう」というワクワクしてました。

claquepot:届いたものに対して「そういう解釈なんだ。それをどう料理してやろうか」みたいな気持ちになるよね。

向井:そうそう。確かに今回は歌詞やトップラインを別の方に書いてもらったりして、すべてを自分の手で作ってるというわけではないですが、だからこそ今までのアルバムたちとは違った、よりバラエティ豊かな作品になっていると思います。

claquepot:僕も本当に色鮮やかなアルバムだなと思いました。それに、今までの作品の中でもキャッチーなほうに入るんじゃないかなと。

向井:ありがとうございます!

— 先ほど向井さんから『COLORLESS』のコンセプトとして外見と内面という話が出ましたが、claquepotさんが顔をほとんど見せずに活動しているのには理由があるのでしょうか

claquepot:正体やビジュアルを使わずに勝ちたいという気持ちからです。太一が「インフルエンサーが音楽をやってる」と言われていたという話にも近いんですけど、印象が先行して純粋に音楽を聴いてもらえないことって多いと思うんですよ。

向井:ああ、そうですね。

claquepot:最近、顔を出さないアーティストが多いのもそういう理由なのかなと思うんですけど。後々正体を知ってもらうぶんにはいいんですけど、あくまでも入り口は音楽やクリエイティブであってほしいんです。ファンの人が周りに勧めるときにも、そのほうが勧めやすいと思うし。太一の場合は、いろんなことをやってるというのもブランディングの1つになってますけど、僕の場合は「あー、それって○○の人でしょ」と言われて、曲を聞かれずに終わっちゃう可能性もあると思うので。

向井:なんか、“不器用な人のほうがいい”みたいな風潮ありますよね。ミュージシャンがほかのことをやってるとネガティブに捉えられることがすごく多い。もちろんポジティブな要素になる場合もありますけど。

claquepot:あるね。ちゃんとやってても、手広くやってるだけで、広く浅くやってると思われるというか。

向井:そうそう。僕、すごくそういうこと言われてましたもん。

claquepot:例えばBTSとかもそうで、世界的なアイドルと認識されていますけど、実はめちゃくちゃヒップホップに詳しくて、ラップもめちゃくちゃうまい。でも「アイドルがヒップホップの真似事してる」って言う人もいる。そういう風潮ってどうしてもなくならないんですよね。

向井:日高(光啓)さん(SKY-HI)もすごい実力主義ですもんね。結局、音楽で戦うしかないんですよ。

claquepot:そう、技術で評価を勝ち取るしかない。僕もclaquepotとして売れないと、音楽的に評価はされないだろうなと思ってる。だから曲もあえてポップにしているんです。ただコアなことだけやってても自己満足になっちゃうんで。まあ、そういう曲が好きだからっていうのが前提なんですけど。

向井:結局はそれに尽きますよね。

— 最後に音楽以外のお話も聞かせてください。普段はご自身でスタイリングすることの多いお二人ですが、今日のシューティングはスタイリストの村井素良さんが衣装を担当しました。いかがでしたか?

向井:びっくりするくらい自分たちが普段着るブランドばっかりですごく心地よかったです。

claquepot:本当に。ツボもしっかり抑えていただいて。

向井:なんなら自分が持ってる洋服もあったくらい。こういうとき海外のブランドで用意してもらえることって少ないイメージなので、驚きましたけどうれしかったです。もちろん日本のブランドも好きですけどね。僕は特に、こういうガッツリしたファッションシュートってあんまりやることがないので楽しかったです。

— やはり用意された衣装のブランドはチェックされるんですね。

claquepot:めちゃめちゃ見ます。ブランドでだいたいその方がどういう方向性のスタイリングが得意かもわかるので、「今後、こういう撮影のときにお願いしてみようかな」と考えたりもしますし。

向井:僕、普段は自分でスタイリングするんですけど、この間ミュージックビデオ撮影で、スタイリストさんにお願いしてみたんです。それがすごくよくて。そうやってシーンやコンセプトによって、自分でやったりお願いしたりを使い分けていけたらいいなと思いました。

claquepot:自分が絶対に着なさそうな服で、シチュエーションに合ってる服とかもあるしね。

— そして今年はお二人の音楽活動もいろいろと動きがあるそうですね。

向井:はい。僕はまずアルバムのリリースイベントとして、6月にワンマンライブをやります。ひさしぶりの有観客のライブなので楽しみです。

claquepot:僕は『hibi』という新曲をリリースします。ひさびさにバラードを書きまして。卒業とか新生活の時期ですけど、同時にコロナ禍で卒業式がないとか、就職が決まっていないという話も聞いたので、いつもと違う日常を「考え方によってはそれもいいよね」と肯定するような曲になっています。

向井:へえ! ひさしぶりのバラード、楽しみです。

— またルンヒャンさんと3人で何かやられている様子もSNSなどで匂わされていますが……。

claquepot:はい、もう、こねこねしておりますね。近いうちに何かしら発表できると思います! それも楽しみにしておいてもらえたらと思います。

向井:今頃ルンさんがキレてそうですね、「一人だけ除け者にして」って(笑)。でも今日、楽しかったですね。

claquepot:楽しかった! オフィシャルに二人でこんなに話すことないので、お互いのファンの人たちにも「こういう関係性なんだ」とわかってもらえたらうれしいですね。

向井:でも原稿が怖いです。クラポさんと一緒だと素になりすぎちゃって、普段インタビューで言わないようなことまで話しているような気がして……(笑)。でもそれくらい楽しかったです!

 

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向井太一 × claquepot − TALK ABOUT “COLORLESS”【前編】
Apr 25, 2021

 

Profile _

左:向井太一(むかい・たいち)
1992年生まれ、福岡出身のシンガーソングライター。自身のルーツであるブラックミュージックをベースにしつつ、ジャンルを超えた楽曲達が高い支持を得る。2021年4月21日に最新作となる「COLORLESS」をリリース。6月にはワンマンツアー「COLORLESS TOUR 2021」を東京・大阪で開催予定。
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右:claquepot(クラックポット)
自身の作品すべてのプロデュースを手掛ける男性ソロシンガーソングライター。己の肖像を映像や写真に反映させないスタイルで活動を続けており、作品もYouTubeと各種音源配信サービスにのみ公開されている。その静かな音楽活動展開にも関わらず、各種音楽ストリーミングサービスのプレイリストに度々名を連ねるなど、その一挙手一投足に高い注目が集まっている。
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Information

2021年4月21日リリース
向井太一 4thアルバム『COLORLESS』

初回生産限定盤(CD+BD)TFCC-86753-86754 / ¥4,620
通常盤(CD)TFCC-86755 / ¥3,300

 

2021年4月28日リリース
claquepot『hibi』

  • Photography : Kenta Karima
  • Styling : Sora murai
  • Hair&Make-up : Akira Nagano
  • Art Direction : Kazuaki Hayashi(QUI / STUDIO UNI)
  • Text&Edit : Chie Kobayashi
  • Edit : Yusuke Takayama(QUI / STUDIO UNI)