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2019.09.23

コロンビアを代表するグラフィティアーティストLEDANIAが、日本で初のクリエーション

この夏、コロンビア出身のグラフィティアーティスト、レダニアが来日し、各地にアートを残した。ラテンアメリカを中心に世界で活躍する彼女が、次なる創作の旅に出る直前。今回の来日について、そして彼女の創作活動について話をきくことができた。

訪れたのは馬喰横山にあるDKARTE gallery(デカルテ ギャラリー)。ラテン圏のアーティストを紹介するギャラリーオーナーの酒井杏子さん、レダニアのアシスタント兼レター(文字)を担当するヒネマ ヒメネスさんとともに話をきく。

屋外アートの壮大さに惹かれて、グラフィティの道へ

−今回の来日の目的は?

酒井杏子さん(以下酒井):渋谷にあるレストラン「デモデクイーン」、藤沢の「8HOTEL」、千葉のゲストハウス「ロアプラータ 一宮」、福岡の障害者専門オフィス「Elbest」。全4カ所にグラフィティアートを描くため来日しました。彼女は、ラテンアメリカ、アメリカ、ヨーロッパ、アジアと、世界中を回って絵を描いていますが、日本で描くのは今回がはじめてになります。

 

−レダニアさんはグラフィティをはじめてどれくらいになりますか?

レダニア:12年です。はじめはグラフィティではなくファインアートをやっていました。絵画を描いたり、インスタレーションや写真も。でもぜんぶあまり好きになれなくて(笑)。あるとき屋外でインスタレーションをやったことがあって、そのとき外でやる壮大さに興味を引かれて。ギャラリーで見るより、街中にあるアートのほうが好きというのもあって、グラフィティの方向に向かっていきました。

むずかしいことにチャレンジするのが好き

−コロンビアは街中にグラフィティがあふれているという印象ですよね

レダニア:いまはたくさんあるけど、わたしがグラフィティをはじめた頃はまだあまりなくて。5.6年前くらいからですかね、盛んになったのは。でも当時から、将来的にコロンビアでもグラフィティのマーケットが大きくなっていくことは予感していたし、わたしはむずかしいことにチャレンジするのが好きなんです。だから、きっとこれを続けていたら結果が残せると信じていました。

−世界中を飛び回って創作活動をされているということですが、いろいろなところからオファーがくるようになったきっかけは?

レダニア:7年前にメキシコのギャラリーからオファーがきて、それがひとつのきっかけになりました。そこからいろんなメディアに出るようになって。『プレイボーイ』にも出たんですよ(笑)。

−キャンバスに絵を描くのと、壁に描くのでは大きな違いがあると思いますが、下絵を描いたりするのですか?

レダニア:文化財のような重要な建物や、ものすごく大きい壁に描く場合は事前に考えるけど、そうでなければその場で描いてしまいます。小さいサイズでラフを描いておけば、あとはイメージの中で大きいサイズに投影できますね。

圧倒的な“カラーの使い方”が魅力

−酒井さんから見たレダニアの魅力やほかのアーティストとの違いは?

酒井:圧倒的なカラーの使い方。わたしも美術の勉強をしてきたので基本的な色の使い方はわかっているつもりなんですが、まったく違うアプローチをするんですよね。最初ぜんぶを真っ黒にしちゃうみたいな。これからどうするの?って思うんだけど、そこから色を重ねてコントラストをつけることで、すごく印象的に仕上がったり。

あと、彼女のスタイルのひとつだと思っているのが「目」。日本では波のモチーフとかが人気なんですけど、アメリカとかメキシコとか、海外で売れるのは断然こっち。アートに対する嗜好にも、国民性みたいなものが出るだなと思って勉強になりました。

−レダニアさんとしても「目」はシンボル的な存在?

レダニア:いろいろな人種の人とか、大人とか子供とか、人間の個性を描くのが好き。世界中を回っているので、そこで出会ったさまざまな“人間らしさ”を絵に活かしています。

まったく文化の異なる日本で、新たなアイデアを得た

−日本に来たのは今回がはじめてですか?

レダニア:2回目です。1回目は日本ってどんな国だろうと思って、文化をみにきました。はじめに来たとき、日本にグラフィティ文化がないというのはわかっていたので、どうすればいいかなって。本当に、コロンビアと日本はまったく違う!すべてのことに驚きました。感情表現も違うし、色の好みも違うし。すごく影響を受けたし、新しいアイデアが生まれました。

−ヒネマさんは日本にどんな印象を持ちましたか?

ヒネマ:わたしは文字を担当しているので、場所に合わせてどんな文字を描くかを考えるのですが、今回、渋谷のレストランのために描いた言葉は「BREATH」。日本人はみんな忙しくしているから、ちょっと落ち着いてほしいな、という想いで描きました(笑)。

世界中の大きな壁に描いてメッセージを伝えたい

−これからチャレンジしたいことは?

レダニア:昔ペイントをはじめたときから言われていたのは、アートは“なんの意味もない”ものだということ。ただのデコレーションだと言われてきたけど、わたしは政治や差別など、世界の問題を伝えることができるものだと信じています。だから、世界中の大きな壁に描いてメッセージを伝えたい。アートを通じて、もっと人と人とをつなげていきたい。そして、世界の人がコロンビアという国を想い描いたとき、いいアーティストがいる国だ、というイメージをもってもらえたらうれしいですね。

最後にライブペンティングを披露してくれたレダニア。あまたあるカラーから迷うことなくスプレーを選び取り、テンポよく吹きかけていく。淡く美しいカラーを重ねてベースを作り、コントラストのきいたブラックで描いたのは、レダニアのシンボルマークである鳥のロゴ。わずか10分足らずで魔法のように完成した。

日本でレダニアの作品が見られるのはココ!

今回の来日でレダニアが描いたアートは、下記の3スポットで見ることができます。ぜひチェックしてみて!

 

1.渋谷「デモデクイーン宇田川町」

渋谷にあるアメリカ・ダイナー。開放的なルーフトップテラスに、レダニアが描いたアートが飾られている。

東京都渋谷区宇田川町37-35

03-6427-8567

Demode Queen 宇田川町

2.藤沢「8HOTEL」

部屋ごとに異なるインテリアが楽しめるクリエーティブなホテル。レダニアがアートを手掛けた部屋がお目見えする(客室610)。

神奈川県藤沢市鵠沼花沢町1-5

0466-54-0880

http://8hotel.jp/

3.ロアプラータ 一宮

東京2020オリンピックのサーフィン競技会場である千葉県一宮町にオープンするゲストハウス。壁面に大胆に描かれたグラフィティは一見の価値あり。

千葉県長生郡一宮町一宮10041-3

050-3573-5573

 

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